化学辞典 第2版 「連続変化法」の解説
連続変化法
レンゾクヘンカホウ
continuous variation method
ジョブの方法ともいう.溶液中で生成する化合物の確認法.いま,
A + nB ABn
なる平衡反応を考える.A,Bを種々の割合で混合し,その溶液のある物理的性質(たとえば吸光度など)と,A,Bが反応しないと仮定した場合のその計算値との差を混合組成に対してプロットすると,差が最大または最小になるときの組成は平衡定数とは無関係に,nのみにより決まる.すなわち,A,B同濃度(M mol L-1)の溶液を(1 - x)L,x L ずつ混合すると,次の関係が成立する.
c1 = M(1 - x) - c3
c2 = Mx - c3
c1 × c2n = Kc3
ここで,c1,c2,c3 はA,B,ABn の濃度(mol L-1)で,Kは平衡定数である.
dc3/dx = 0
より
n = x/(1 - x)
が得られ,c3 が最大または最小のときの混合組成xから錯合体組成nを求めることができる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報