遣過(読み)やりすごす

精選版 日本国語大辞典 「遣過」の意味・読み・例文・類語

やり‐すご・す【遣過】

〘他サ五(四)〙
① あとから来るものを先に行かせる。行き過ぎさせる。やりこす。やりすぐす。
蜻蛉(974頃)中「やりすごして、今はたちてゆけば」
曾我物語(南北朝頃)一「敵ならねば、みなやりすごし」
② なすがままにしておく。何もしないでほうっておく。
※或る女(1919)〈有島武郎〉後「さすがに葉子もそれを見て見ぬふりでやり過ごす事は得しなかった」
③ 度を越えてする。やりすぎる。

やり‐す・ぎる【遣過】

〘自ガ上一〙 やりす・ぐ 〘自ガ上二〙
相手とすれ違って通り過ぎる。
たけくらべ(1895‐96)〈樋口一葉〉七「成るだけは知らぬ躰をして、平気をつくりて、むづかしき顔をして遣(ヤ)り過(ス)ぎる心なれど」
物事を度を越えてする。やりすごす。
多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉前「事を手暴(てあら)に遣過ぎて」

やり‐すぎ【遣過】

〘名〙 物事を度を越えてすること。
遣唐船(1936)〈高木卓〉七「仲麻呂に睨まれたのは、やはり真備自身のやり過ぎや、彼の成上り的出世への反感や」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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