酢酸酪酸セルロース(読み)さくさんらくさんセルロース(その他表記)cellulose acetate butyrate
acetylbutyryl cellulose

改訂新版 世界大百科事典 「酢酸酪酸セルロース」の意味・わかりやすい解説

酢酸酪酸セルロース (さくさんらくさんセルロース)
cellulose acetate butyrate
acetylbutyryl cellulose

酢酸酪酸繊維素ともいう。セルロースの混合エステルのことで,セルロースは分子内に多くの水酸基をもつが,その水酸基-OHを酢酸CH3COOHおよび酪酸CH3CH2CH2COOHまたはその無水物と反応させて,セルロースのアセチルエステル-OCOCH3とブチリルエステル-OCOCH2CH2CH3のある割合の混合エステルに変えたのが,酢酸酪酸エステルである。37重量%ブチリル-13重量%アセチルの酢酸酪酸エステルが一般に製造されている。少量の可塑剤を加えて,射出成形で成形でき,また,溶媒に溶かしてフィルムに作ることができるので,プラスチック,透明な包装用フィルムやシート,ラッカーとして大量に使用されている。セルロース原料としては,コットンリンター木材パルプが用いられる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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