日本大百科全書(ニッポニカ) 「醴陵」の意味・わかりやすい解説
醴陵
れいりょう / リーリン
中国、湖南(こなん)省東部の県級市。株洲(しゅしゅう)地級市に属する。湘江(しょうこう)の支流水(りょくすい)の流域に位置し、江西(こうせい)省と境を接する。滬昆(ここん)線(上海(シャンハイ)―昆明(こんめい))に沿い、また醴茶線(醴陵―茶陵(さりょう))を分岐する。人口107万4000(2014)。後漢(ごかん)に県が置かれ、隋(ずい)代に長沙(ちょうさ)県に編入されたが、唐代に復活、元代には醴陵州治であった。明(みん)以後はふたたび県となり、1985年市制を施行した。農産物は米を主とし、湖南省の代表的な米の二期作地域として知られ、またトウガラシの産地でもある。伝統工芸としては磁器の生産が有名で、下絵付(したえつけ)五彩の発祥地とされる。花火の祖ともいわれる李畋(りてん)(621―691)の故郷であることから、古来花火製造が盛んである。
[河野通博・編集部 2016年12月12日]