ずい(読み)ズイ

デジタル大辞泉 「ずい」の意味・読み・例文・類語

ずい

[接頭]名詞動詞に付いて、そのまますぐに、の意を表す。「ずいあがり」「ずい逃げ」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ずい」の意味・読み・例文・類語

ずい

  1. [ 1 ] 〘 接頭語 〙 名詞や動詞の上に付いて、すぐに、ずいと、ためらわないでなどの意を添える。「ずいあがり」「ずい隠れ」「ずい乗り」「ずい逃げ」など。明和安永一七六四‐八一)の頃に流行。
    1. [初出の実例]「薬をぐるぐるとひねり、なげ出し、ソレずいせんじ、ずいのみといへば」(出典:咄本・稚獅子(1774)しゃれ)
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙ずいにげ(━逃)」の略。
    1. [初出の実例]「揚句(あげく)の果にはおさごを連れ、此屋敷をずいとする」(出典:浄瑠璃・敵討御未刻太鼓(1727)上)

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普及版 字通 「ずい」の読み・字形・画数・意味


14画

[字音] ズイ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は委(い)。委に(ずい)の声がある。〔説文十三上に「冠に系(か)くる纓(ひも)なり」とあり、〔礼記、檀弓上〕に「に喪るときは、~喪冠はせず」とみえる。華形に結ぶ飾り紐で、呪飾の意があり、(り)ともいう。〔爾雅、釈器〕に「なり」とみえ、冠纓のみでなく、呪飾として器物に著けることもあった。殷・周の図象に、戈の(ぜい)(ほぞの部分)に、飾を垂らしている例が多い。綏安の意があって、綏と通用するが、綏は車上より垂れて、引いて車に登るときの紐である。

[訓義]
1. かんむりのひも、かんむりのたれひも、ひも。
2. はた、旄牛(ぼうぎゆう)の毛を飾りにつけたはた。
3. つぐ、つなぐ。
4. わが国では、おいかけ、ほほすげ、武官の冠の両耳のところにつける剛毛の飾り。

[古辞書の訓]
和名抄 に云ふ、、一名、和名冠乃乎(かうふりのを)、一に云ふ、保々須介(ほほすげ)、云ふ、於以加介(おいかけ) 〔名義抄〕 ヲイカケ・フサ 〔字鏡集〕 フサ・ヲイカケ・ヤシナフ・カフリノヲ

[語系]
・綏njiuaiは同声。綏は〔説文〕十三上に「車中の把(と)るものなり」とあって、革の紐。ともに垂れるもので、垂zjiuaiと声義の近い語である。

[熟語]

[下接語]
・冠・紫・朱・修・紳・垂・翠・素・端・長

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