翻訳|porcelain
完全に熔化(ようか)し、硬く、(施釉(せゆう)前でも)不透過性、白色または人工的に着色され、(かなりの肉厚でない限り)透光性であり、たたくと清音を発するビトレアス・セラミック・ホワイトウェアvitreous ceramic whitewareをいう。食卓用器や美術品など工業的な用途をもたない場合にはチャイナchinaという。
磁器にはいろいろな種類があるが、もっとも重要で多量に生産されているものは硬磁器hard porcelain(SK13~16焼成)と軟磁器soft porcelain(SK8~12焼成)であり、これらはイギリスやヨーロッパでいうファイン・セラミックスfine ceramicsの代表的なものである。磁器の構成成分は、成形に必要なカオリン、熔化をつかさどる長石、骨骸(こつがい)となる石英からなるが、これらのうちの一部を別の成分で置換すると新しい性質の磁器が得られ、このときに使用した成分がたとえばジルコンであるとジルコン磁器という名称を用いる。
[素木洋一]
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陶磁器のうち,素地の吸水率の小さい(0~0.5%)もの.普通,磁器には硬質磁器と軟質磁器とがあるが,特種磁器にはアルミナ磁器やチタン磁器など,ケイ酸だけでなく種々の成分からなるものがある.吸水性がごくわずかあるものを半磁器ということもある.食器類,るつぼのような化学用容器,電気絶縁材料などに用いられる.
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出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
…佐賀県西松浦郡有田町を中心とする地域で,江戸時代の初めから焼きつづけられている磁器。江戸時代を通じて,伊万里港から諸国へ積み出されたので,一般に伊万里焼として知られている。…
…釉薬とも書き,釉(ゆう),釉薬(ゆうやく)ともいう。陶磁器の表面を覆うガラス質の薄い膜のこと。純粋にガラスだけではなく結晶が析出している場合もある。…
…陶磁製の碗に対する総称として用いているが,本来は喫茶用の碗である(図)。また平安時代から室町時代にかけては〈茶碗(茶垸)の物〉などと,磁器をあらわす言葉としても使われている。しかし当時,日本では磁器はつくられておらず,この場合の茶碗は中国から請来された磁器を意味していた。…
…可塑性に富んだ粘土を用いて所定の形に成形し,高熱で焼き締めた要用の器物で,土器clayware,陶器pottery,炻器(せつき)stoneware,磁器porcelainの総称。一般に〈やきもの〉とも呼ばれる。…
…陶器は,やはり粘土を材料とし,器壁は多孔質だが器表は釉薬(うわぐすり∥ゆうやく)のガラス質に覆われており,多孔質ではない。また磁器は,石(長石,ケイ(珪)石)の粉や骨灰(こつぱい)と粘土からなる材料を用い,全体がガラス質を帯びて多孔質でなく,不透明な炻器に対して半透明である。日本で,釉薬をかけないやきものの意味で〈土器〉という名称を用い,釉薬をかけた陶器と区別するようになったのは,江戸時代後半からのようである。…
※「磁器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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