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磁器 じきporcelain; china

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

磁器
じき
porcelain; china

1200℃以上の高温で焼かれた硬質で吸水性のない焼物。素地は白色で,透明または半透明の釉 (うわぐすり) がかけられる。中国では唐末,五代に始り,朝鮮では李朝初期から,日本では江戸時代初期に,有田で帰化朝鮮陶工李三平によって始められたといわれる。なお,日本では有田,瀬戸,多治見,清水,九谷などがその主産地。西洋では一般に磁器を軟質磁器硬質磁器に分け,初期のセーブル磁器のように磁土カオリンを含まない焼成度の低いものを軟質磁器と呼んでいる。硬質磁器 (真正磁器) は 1708年ドイツのベットガードレスデンで磁土を発見,磁器の焼成に成功した。次いでウィーン,ベネチア,ドイツのヘフスト,ニンフェンブルク,フランスのサンクルー,シャンティイーセーブルなどでもその焼成に成功し,その後 18世紀中頃にはヨーロッパ各地で制作されるようになった。

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デジタル大辞泉の解説

じ‐き【磁器】

素地(きじ)のガラス質が磁化して半透明となり、吸水性のない硬質の焼き物。陶器より高火度で焼かれ、たたくと金属的な音がする。中国で創製され、日本では江戸初期の有田焼に始まる。→陶磁器

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百科事典マイペディアの解説

磁器【じき】

良質の粘土,石英,長石,陶石等を成形し,1300〜1450℃で溶化するまで十分焼き締めたもの。英語ではporcelain。素地は白色,ガラス質で吸水性がなく,透光性があり,機械的強度が強く,打つと金属音を発する。
→関連項目セラミックス染付陶器陶磁器

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大辞林 第三版の解説

じき【磁器】

焼き物の一。陶器より高温で焼成。素地きじはガラス化し、透明または半透明の白色で硬く、吸水性がない。軽く打つと澄んだ音がする。中国宋代末から発達し、日本では江戸初期に有田で焼き始められた。 → 陶器

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食器・調理器具がわかる辞典の解説

じき【磁器】

土や粉末状の鉱物を練って成形し、素焼きした後、釉薬を施してさらに焼いて作るもののうち、比較的高温で焼くもの。特に食器や花器などのうつわ類。ガラス質で吸水性がなく、透明度の高い白色で、たたくと金属的な清音を発する。原料の配合や焼成温度などにより軟質磁器硬質磁器に分類される。日本では、有田焼・九谷焼、欧米圏ではマイセンなどが代表的。⇒陶器

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

磁器
じき
porcelain

完全に熔化(ようか)し、硬く、(施釉(せゆう)前でも)不透過性、白色または人工的に着色され、(かなりの肉厚でない限り)透光性であり、たたくと清音を発するビトレアス・セラミック・ホワイトウェアvitreous ceramic whitewareをいう。食卓用器や美術品など工業的な用途をもたない場合にはチャイナchinaという。
 磁器にはいろいろな種類があるが、もっとも重要で多量に生産されているものは硬磁器hard porcelain(SK13~16焼成)と軟磁器soft porcelain(SK8~12焼成)であり、これらはイギリスやヨーロッパでいうファイン・セラミックスfine ceramicsの代表的なものである。磁器の構成成分は、成形に必要なカオリン、熔化をつかさどる長石、骨骸(こつがい)となる石英からなるが、これらのうちの一部を別の成分で置換すると新しい性質の磁器が得られ、このときに使用した成分がたとえばジルコンであるとジルコン磁器という名称を用いる。[素木洋一]

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世界大百科事典内の磁器の言及

【有田焼】より

…佐賀県西松浦郡有田町を中心とする地域で,江戸時代の初めから焼きつづけられている磁器。江戸時代を通じて,伊万里港から諸国へ積み出されたので,一般に伊万里焼として知られている。…

【釉】より

…釉薬とも書き,釉(ゆう),釉薬(ゆうやく)ともいう。陶磁器の表面を覆うガラス質の薄い膜のこと。純粋にガラスだけではなく結晶が析出している場合もある。…

【茶碗】より

…陶磁製の碗に対する総称として用いているが,本来は喫茶用の碗である(図)。また平安時代から室町時代にかけては〈茶碗(茶垸)の物〉などと,磁器をあらわす言葉としても使われている。しかし当時,日本では磁器はつくられておらず,この場合の茶碗は中国から請来された磁器を意味していた。…

【陶磁器】より

…可塑性に富んだ粘土を用いて所定の形に成形し,高熱で焼き締めた要用の器物で,土器clayware,陶器pottery,炻器(せつき)stoneware,磁器porcelainの総称。一般に〈やきもの〉とも呼ばれる。…

【土器】より

…陶器は,やはり粘土を材料とし,器壁は多孔質だが器表は釉薬(うわぐすり∥ゆうやく)のガラス質に覆われており,多孔質ではない。また磁器は,石(長石,ケイ(珪)石)の粉や骨灰(こつぱい)と粘土からなる材料を用い,全体がガラス質を帯びて多孔質でなく,不透明な炻器に対して半透明である。日本で,釉薬をかけないやきものの意味で〈土器〉という名称を用い,釉薬をかけた陶器と区別するようになったのは,江戸時代後半からのようである。…

※「磁器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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