精選版 日本国語大辞典 「鏡師」の意味・読み・例文・類語
かがみ‐し【鏡師】
- 〘 名詞 〙 鏡をつくる人。また、鏡をみがく人。かがみねり。かがみつくり。
- [初出の実例]「四条坊門のほとりにありける鏡つくりをめしよせ給ひて〈略〉かかみ師裏をみければ、木瀬と云鏡つくりの作なり」(出典:室町殿日記(1602頃)一〇)
鏡師の語誌
( 1 )古代日本では鏡は神聖なものとされ、鏡を作る人は「鏡作(かがみつくり)」と呼ばれ、「鏡作部(かがみつくりべ)」という集団をなしていた。中世末頃から「鏡師(かがみし)」とも呼ばれるようになる。当初は、「鏡作」「鏡師」が併用されていたが、後に「鏡師」の語が一般的になったと思われる。
( 2 )京の青家次(あおいえじ)は「天下一」の称号を受け、代々禁裏御用鏡師を務めたが、後には一般の鏡師も天下一を自称した。