① ( 形動 ) 天下に比べるものがないほどすぐれていること。また、そのさま。日本一。三国一。天下一品。
[初出の実例]「天下一の剛の者とは是れをぞ誠にいふべきと」(出典:太平記(14C後)三四)
② 近世、天下唯一の名人の意味で「天下一」の号を名乗ることを許された鋳物工、陶工などの家。また、名人をもって自任する者の作物の銘。織田信長・豊臣秀吉などが鏡・釜・土器などのすぐれた作者に許したのにはじまる。合戦の勇者などにも名誉の称号として与えられることがあった。のちに諸品の看板に乱用され、誇大広告に使われるなどの弊害を生じたため天和二年(一六八二)に使用が禁じられた。