精選版 日本国語大辞典 「鏡開」の意味・読み・例文・類語
かがみ‐びらき【鏡開】
- 〘 名詞 〙 ( 「開き」は「割り」の忌み詞 ) 正月行事の一つ。正月に供えた鏡餠をおろし、二〇日の小豆粥(あずきがゆ)に入れて食べる。のち一一日の仕事始め(倉開き)に行なうようになった。武家時代には、男子は具足に、婦女は鏡台に供えた鏡餠を、二〇日に取り下げ、割って食べた。婦女は初鏡祝いともいう。鏡割り。《 季語・新年 》
- [初出の実例]「武家具足鏡餠開 凡鎧〈略〉其所レ供具足之餠、特以レ刀忌レ截レ之、故以二手或槌一破レ之欠レ之而賞レ之、是謂二鏡開一世所謂欠餠之名又起レ自二此餠一」(出典:日次紀事(1685)正月一一日)
鏡開の語誌
( 1 )具足の餠を開くというところから「具足開き」といったり、鏡台で顔を初めて見るというところから「初顔祝い」「初鏡の祝い」といったりもした。
( 2 )二〇日に祝うのは、男性は「刃柄(はつか)」、女性は「初顔(はつかお)」にかけたもの。仕事始め(倉開き)の一一日に行なうようになったのは徳川家光が慶安四年(一六五一)四月二〇日に没したことによるという。