小豆粥(読み)あずきがゆ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

小豆粥
あずきがゆ

煮た小豆を混ぜて炊いた。かつては年越しの朝と正月 15日に炊き,これを神に供した。現在では地方によって正月 15日に食べることもある。小の数によって豊凶を占ったりする。

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百科事典マイペディアの解説

小豆粥【あずきがゆ】

アズキをまぜてたいた粥。その色から桜粥ともいう。邪気を払うものとして正月15日に食べる習慣があり,地方によっては11月23日の新嘗(にいなめ)や,旅立ちの日などにも食べる。ふつう塩味をつけるが,好みで餅(もち)を入れたり砂糖をかけたりする。
→関連項目

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典の解説

あずきがゆ【小豆粥】

あずきが入ったかゆ。かゆを炊いてやわらかく煮たあずきを加え、塩で調味する。塩を入れず、砂糖をかけることもある。「かゆばしら」と呼ばれる餅(もち)を入れることが多い。1年の邪気を払うものとして小正月(1月15日)に食べる。◇「さくらがゆ」ともいう。

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世界大百科事典 第2版の解説

あずきがゆ【小豆粥】

米にアズキを加えてたいた粥。ハレの日の食物とする。米だけの白粥をハレの日に用いることもあるが,アズキを入れるのは,赤飯と同じく,特別な食物のしるしである。小正月の1月15日の朝の粥は小豆粥が多く,《土佐日記》の承平5年(935)1月15日の条にも,〈あづきがゆ〉が見える。《延喜式》によると,宮中では,この日に,米,アワ,キビ,ヒエ,子(みの)(ムツオレグサ),ゴマ,アズキの7種の穀物を入れた〈七種(ななくさ)粥〉を天皇に供えたが,一般の官人には,米にアズキを入れた〈御粥〉をたまわっている。

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大辞林 第三版の解説

あずきがゆ【小豆粥】

あずきのはいったかゆ。餅(かゆばしら)を入れることが多い。一年の邪気を除くものとして、正月15日に食べる風習がある。また、粥占かゆうらを行なったりする。 [季] 新年。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

小豆粥
あずきがゆ

小豆を入れて煮た粥。普通の白粥と違って赤く染まるので、その色に呪力(じゅりょく)を認め、屋移りや旅立ちに災異除(よ)けとして用いられた。またハレの日の食物として神祭や年中行事にもつくられ、小正月や11月23日の大師講に著しい。東日本では正月15日の朝は小豆粥が通例で、その年の豊凶を占う年占(としうら)や果物の豊穣(ほうじょう)を呪願する成木責(なりきぜ)めなどの行事にも用いられた。粥占(かゆうら)は、民間では粥掻(か)き棒、粥立て棒を使い、神社では竹やアシの筒、管によることが多く、筒粥(つつがゆ)祭、管粥(くだがゆ)神事などとよばれる。埼玉県秩父(ちちぶ)市の三峰(みつみね)神社の筒粥祭でも、36本のアシ筒に入った米粒と小豆の割合を調べて作柄を占う。また各地で、15日に小豆粥を食べると一年の邪気を払う、毒虫に刺されない、これを吹いて食べると稲の開花期に大風が吹くなどの言い習わしも伝えられてきた。俳諧(はいかい)では十五日粥(じゅうごにちがゆ)、望(もち)の粥、紅調粥(うんじょうしゅく)ともいい、新年の季語になっている。[竹田 旦]

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精選版 日本国語大辞典の解説

あずき‐がゆ あづき‥【小豆粥】

〘名〙 煮た小豆とその煮汁を混ぜて炊いた粥。餠を入れることもある。あずきがい。
(イ) 中国の風習にならい、正月一五日に、一年中の邪気を払うものとして食べる。さくらがゆ。もちがゆ。《季・新年》
土左(935頃)承平五年一月一五日「十五日。けふ、あづきがゆにず」
(ロ) 転居の時、手伝いの人たちなどに供する。家移粥(やうつりがゆ)
※雑俳・川柳評万句合‐宝暦一二(1762)智二「新しい雨の音聞あづきかゆ」
(ハ) 一一月二三日の大師講の際、人々に供する。
和訓栞(1777‐1862)「十一月廿三日を大師講といひ、赤小豆粥(アツキカユ)を調食ふ」
(ニ) 病を避けるため冬至の日に食べる。冬至粥
※交隣須知(18C中か)一「冬至 トフシハ十一月ニアルニヨリ、小豆カユヲタイテクイマスル」
(ホ) 隠岐島で、生まれ年の十二支に当たる日に神に供えて自分も食べる。としのかゆ。しもつきがゆ。

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世界大百科事典内の小豆粥の言及

【アズキ(小豆)】より

…年中行事の中で,小豆が最も多く使われるのは正月の行事であり,出雲から越後にかけての裏日本や近畿地方の海岸部には小豆雑煮を祝う風習が見られる。また小正月に小豆粥(がゆ)を食べる習慣はほぼ全国的に見られ,この粥で作物の豊凶を占う所もある。さらにこの小豆粥を11月23日の大師講のほか,屋移りや葬式の湯灌(ゆかん)の際に食べる所もある。…

【粥】より

…芋粥は,現在ではふつうサツマイモを入れたものを指すが,芥川竜之介の《芋粥》に描かれた平安時代のそれは薯蕷(しよよ)粥ともいい,ヤマノイモを切って甘葛(あまずら)の汁で煮ただけの,汁粉のようなものであった。粥はハレの日の食物とされることが多く,正月の七草粥,小豆(あずき)粥のほか,8月1日には宮中などで尾花粥,12月8日には寺院などでは紅糟(うんぞう)粥を食べた。尾花粥は古く諏訪大社の御射山(みさやま)の神事に始まるといい,ススキを黒焼きにして粥に混ぜたものだったが,後には黒ゴマを代用するようにもなった。…

【小正月】より

…小正月で,正月行事は終わると考えるのが普通である。15日の朝,粥を食べる習慣は全国に広く,小豆粥にしているところが多い。15日のは歴史的にも古く,伊勢神宮の《皇太神宮儀式帳》(804)に〈御粥〉とあり,《土佐日記》承平5年(935)の条に小豆粥が見える。…

【成木責め】より

…全国に広い分布をもつが,果樹といってもほとんどは柿の木に対するものである。まず2人一組になって果樹に向かい,1人が〈成るか成らぬか,成らねば切るぞ〉と唱えながら鎌や斧,なたなどで樹皮に少し傷をつけ,もう1人が果樹になったつもりで〈成り申す,成り申す〉などと答えると,傷の所に小正月の小豆粥が少し塗られるというのが一般的な形式で,おとなも子どもも参加する。樹皮を刺激することで豊産の実際的な効果もあるといわれるが,刃物とは別に祝棒や牛王(ごおう)の棒などでたたく所も少なくなく,あくまでも呪術的なものであろう。…

【六日年越し】より

…年男が6日夜に年棚の前にまないたを据え,独特の唱え言によってその上で7種の野草をたたき,年神に供えてから翌朝下ろして粥に入れ,家族そろって食べるのである。七草粥は神饌であり,七日正月にはそれを神人共食して神の霊威を得ようとする点で,元旦の雑煮や15日の小豆粥などと似ている。このほか九州地方には悪鬼の訪れを説いて門口に魔よけの設けをしている所が少なくないが,同様に長野県では戸口にサワガニを炙(あぶ)ってさしておく風習がある。…

※「小豆粥」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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