朝日日本歴史人物事典 「長谷川英信」の解説
長谷川英信
江戸前期の無双直伝英信流居合の祖。孫弟子の林守政が享保17(1732)年に没したということから推して,活躍期は17世紀の中ごろから後期にかけてであろう。土佐(高知県)の人ともいうが,讃岐(香川県)出身とする説もある。居合の始祖林崎甚助の流れを汲む万野団右衛門に林崎流居合を学び,林崎以来の達人と称された。とくに佩刀期から腰に差す刀に代わった時代に合わせ,初期の下から抜き上げるのを,左手の操作で水平に抜きつけ,あるいは上からといった具合に改良を加えた。これは今日も踏襲されており,居合といえば英信流だけともいえるような隆盛のもとになっている。
(杉田幸三)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報