平安末期の歌人。摂津源氏の棟梁(とうりょう)源三位(げんざんみ)頼政(よりまさ)の女(むすめ)、母は源斉頼の孫女。父方の家系に歌人が多く、祖父仲政(仲正)、父の妹三河・待賢門院美濃(みの)、叔父頼行(よりゆき)の女の宜秋門院丹後(ぎしゅうもんいんたんご)などがいる。兄仲綱も讃岐とともに父を継ぐ歌人。二条(にじょう)天皇に出仕。1165年(永万1)天皇没後、11~12年間の動静は不明であるが、退仕して藤原重頼の妻となり、夫の任国へ下っていたと思われる。建久(けんきゅう)年間(1190~99)後鳥羽院(ごとばいん)中宮任子(じんし)(宜秋門院)に再出仕。家集『二条院讃岐集』がある。晩年は「正治初度百首」「千五百番歌合(うたあわせ)」に出詠し、『千載(せんざい)和歌集』時代から『新古今和歌集』時代にかけての和歌史上に確かな位置を占める。「我が袖(そで)は潮干に見えぬ沖の石の人こそ知らね乾く間ぞなき」。「沖の石の讃岐」の異名はこの歌によるという。
[糸賀きみ江]
『森本元子校『小侍従集・二条院讃岐集』(1958・古典文庫)』▽『糸賀きみ江著『中世の抒情』(1979・笠間書院)』
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