長距離攻撃システム(読み)ちょうきょりこうげきしすてむ(英語表記)Long‐Range Strike system

知恵蔵 「長距離攻撃システム」の解説

長距離攻撃システム

2006年2月に公表された米国防総省の「米軍戦力構成4年次見直し(Quadrennial Defense Review:QDR)」で打ち出された、米本土から全世界いかなる場所(グローバル・レンジ:global range)に対しても、短時間の内に精密に攻撃できるシステムの総称。QDRで米空軍は2025年までに長距離攻撃能力を50%、その(敵地)侵攻能力を現在の5倍に増強することを目標としている。18年から陸上配備式の、高い侵攻能力を持つ新型長距離攻撃システムの配備を開始するとされているが、06年中期現在、まだこのシステム(LRS)の具体的な形は定まっていない。有人型、あるいは無人の長距離爆撃機、弾道ミサイル型、輸送機などの大型機から発射する巡航ミサイルや弾道ミサイルなどが検討されているが、QDRは将来の長距離攻撃手段の45%は無人型になるとしている。

(江畑謙介 拓殖大学海外事情研究所客員教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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