化学辞典 第2版 「陽性ハロゲン」の解説
陽性ハロゲン
ヨウセイハロゲン
positive halogen
反応に際し,陽イオンとして切れて作用すると考えられるハロゲン原子をいう.芳香環の求電子置換反応では,ハロゲン分子中の陽性ハロゲン原子が新しい結合に関与する.N-ブロモスクシンイミド(a)の臭素原子や次亜塩素酸HOClの塩基原子は,結合原子との相対的電気陰性度の相違による陽性ハロゲンであり,トリニトロブロモメタン(b)の臭素はニトロ基の電子吸引性に起因する陽性ハロゲンである.(a)は求電子置換反応にも利用される.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報