雀の宮(読み)すずめのみや

日本大百科全書(ニッポニカ) 「雀の宮」の意味・わかりやすい解説

雀の宮
すずめのみや

雀に助けられてそれを祀(まつ)った宮にちなむ伝説昔話。妻と間男に謀られて、針の入った餅(もち)を食べさせられた男が、苦しんで寝ていると、その傍らに同じように一羽の雀が苦しんでいた。すると、別の雀が飛んできて草を食べさせたところ、尻(しり)から光るものが出てきた。見ると針であった。男は自分も縫い針を食べさせられたと思い、韮(にら)を食べると針が出たので、妻のたくらみを知った。男は雀を大明神に祀ったという。栃木県河内(かわち)郡雀宮(すずめのみや)町(現宇都宮市)の雀宮神社は、この伝説が縁起となっている。昔話の型には、食べる草が針を溶かしてしまうという話もある。

[渡邊昭五]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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