雇用なき成長(読み)こようなきせいちょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「雇用なき成長」の意味・わかりやすい解説

雇用なき成長
こようなきせいちょう

経済教科書によれば,経済が拡大,成長すればそれに伴って雇用が新たに創出される。しかし,企業のリストラクチャリングやテクノロジー技術の革新で,産業構造が大変革を起こしているような最近の世界経済下では,必ずしも教科書的な現象は起きず,経済成長が雇用を創り出さないこともあり得る。 1993年の東京サミットでは持続的な成長とともに「雇用の確保」が経済宣言に盛込まれたが,これは高失業率に悩むヨーロッパ諸国の現状背景に雇用問題が 90年代の緊急課題になっていることを示している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android