雲の林(読み)クモノハヤシ

デジタル大辞泉 「雲の林」の意味・読み・例文・類語

くも‐の‐はやし【雲の林】

[連語]群がっている雲を林に見立てていう語。
「風わたる―の山桜花の所ぞ雪と降りぬる」〈続千載・春下〉
京都市北区紫野にあった雲林院うりんいんのこと。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「雲の林」の意味・読み・例文・類語

くも【雲】 の 林(はやし)

  1. [ 一 ]
    1. 雲がむらがっているさまを林に見立てていう語。
      1. [初出の実例]「このもとに織らぬ錦のつもれるは雲の林の紅葉なりけり〈よみ人しらず〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)秋下・四〇九)
    2. 花がこずえにむらがって咲いているさまをいう。
      1. [初出の実例]「花ざかり。雲のはやしの陰しげき。緑の空もうつろふや」(出典:車屋本謡曲・桜川(1430頃))
  2. [ 二 ] 京都市北区紫野にあった雲林院(うりんいん)のことをいう。
    1. [初出の実例]「さるべきやうありて、雲林院に候ひし人なり。〈略〉思ひきやくものはやしにうち捨てて空の煙に立たむものとは」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android