最新 地学事典 「電界放出型電子顕微鏡」の解説
でんかいほうしゅつがたでんしけんびきょう
電界放出型電子顕微鏡
field emission electron microscope
電子の放出方法として電界放出型(FE)電子銃を採用した電子顕微鏡。FE電子銃は,透過電子顕微鏡,走査透過電子顕微鏡,走査電子顕微鏡などに採用されている。電解研磨により先端を曲率半径0.1µm程度にまで先鋭化させた「310」方位をもった単結晶Wチップに強い電界を印加することによりトンネル効果を引き起こして電子を放出させる。他に実用化されている電子銃には,熱放出(TE)型とSchottky 放出(SE)型があるが,電界放出(FE)型で最も高い電流密度が得られる。電界放出型電子線はエネルギーの広がりが小さく,コヒーレント長が長い。非加熱であるためわずかなガスもエミッタの先端に付着するため,10−9Pa以下の超高真空が必要である。市販のものではときどきエミッタ先端のフラッシング(瞬間加熱)が必要。
執筆者:小西 博巳
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

