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方位 ほうい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

方位
ほうい

地表上において,基準とした方向に対して,ある方向がどう向くかを示すこと。通常,基準として子午線の方向を北・南とし,これに垂直に東・西を定め (4方位) ,中間に北東,南東,南西,北西をとる (8方位) 。地上風向の観測に用いられる 16方位は,8方位の中間にさらに,北北東,東北東東南東南南東南南西,西南西,西北西,北北西の8方位を加えたもの。古くは,五行による中央 (土〈黄〉) と四方 (水〈黒〉=北,木〈青〉=東,火〈赤〉=南,金〈白〉=西) ,易による八方または八卦方位 (坎〈かん。北〉,艮〈ごん。北東〉,震〈しん。東〉,巽〈そん。南東〉,離〈り。南〉,坤〈こん。南西〉,兌〈だ。西〉,乾〈けん。北西〉) ,十二支による十二方,八卦と十干との一部を加えた二十四方など,多くの分け方があり,それらに人事の吉凶を関連させた迷信もあった。磁石によって南北を知ることは漢代の中国で始った。古代の日本でも,地面に立てた垂直な棒の影が同長になる点を知って正確な南北を決める方位決定法が行われていた。

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デジタル大辞泉の解説

ほう‐い〔ハウヰ〕【方位】

ある方向が、基準の方向に対してどのようであるかの関係を表したもの。通常は子午線の方向を、これに直角に交わる方向に西を定めた4方位を基準とし、その中間を北東・北西・南東・南西として加え8方位に、さらにその中間に北北東・南南西などをとり16方位に、さらに細分して32方位にして示す。古くは12の方向に分けて十二支を配し、北を子(ね)、北東を丑寅(うしとら)などとよんだ。天文学測地学では、方位角を用いて表す。
各方角に陰陽五行(ごぎょう)十二支八卦(はっけ)などを配し、それぞれに吉凶があるとする民間信仰恵方(えほう)金神(こんじん)鬼門などの俗信を生んだ。「方位を見る」

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百科事典マイペディアの解説

方位【ほうい】

(1)観測点から見た地平面上の方向。子午線地平線との交点の方向が北と南,これから90°離れた方向が東と西で,東西南北の間をおのおの4または8等分して16方位,32方位がきめられる。
→関連項目家相

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世界大百科事典 第2版の解説

ほうい【方位】

ある基準に基づいて,一定の方向またはその方向から測った他の方向を示す語を方位という。 現在,日常用いられる地図のほとんどは,北が上となっており,そうでない場合には,北を表示する磁石の針を表した記号で地図の方位が示されている。これは羅針盤が発明されて航海に用いられるようになり,地図の方位も磁針の指す方向と一致して北が上に置かれるようになって以来一般化したと考えられている。それ以前には地図の方位基準は一定でなく,その時代の世界観を表し,たとえば東方の地上楽園を地図のいちばん上に置いた中世ヨーロッパの地図や,南が上になっているイスラム世界の地図などがみられる。

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大辞林 第三版の解説

ほうい【方位】

地平面上のある点における方向が、基準の方向とどのような関係にあるかを表す語。一般に、東西南北の四方向を基準とし、順次八・十六・三十二方向に細分する。三十二方向の場合、北・北微東・北北東・北東微北・北東・北東微東・東北東・東微北・東の順に北微西・北と一巡する。羅針盤はこれによる。測地・天文など精密を必要とする場合は北15度東・南28度西のように表す。古くは、東西南北を基準とした一二方向に十二支を配した。北を子、東を卯とし、その間に丑うし・寅とらを配し、以下順次辰たつ・巳・午うま(南)・未ひつじ・申さる・酉とり(西)・戌いぬ・亥・子と一巡する。また、東西南北とその中間との八方向に周易による八卦はつけを配し、坎かん(北)・艮ごん(うしとら・北東)・震しん(東)・巽そん(たつみ・南東)・離(南)・坤こん(ひつじさる・南西)・兌(西)・乾けん(いぬい・北西)・坎かんと一巡する。
各方向に陰陽・五行・十干十二支・八卦などを配し、各方角によって吉凶があるという俗信。恵方えほう・金神こんじん・鬼門の類。現在も、家相の吉凶の判断などに用いる者がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

方位
ほうい

方角と同義であるが、とくに人事の吉凶との関係において考えられるもの。東西南北の四方位が四正(しせい)、その中間の東北、東南、西南、西北が四隅(しぐう)で、あわせて八方位となる。方位はさらに12に分けられ、古代中国ではこれに十二支を配当した。また、八方位は3分して二十四方位ともする。これら各方位にはそれぞれ特別の意義が付与されていて、人間の運命に影響を及ぼすものとするが、古代中国のこの考えは日本にも早く伝えられ、陰陽師(おんみょうじ)などによって広められて、旅行、移転、新築その他いろいろの場合に方位の吉凶をみることが行われて現代に至っている。方位の吉凶は、(1)「丑寅(うしとら)(東北)の鬼門(きもん)」のように固定しているものと、(2)年、月、日、時刻などによって変わるものとの二通りがある。
 (1)の丑寅の鬼門は今日でも重視されるが、その理由については諸説がある。あるいは東北が死霊、すなわち鬼の出入りする門という説に由来するものとし、あるいは、空間としての丑寅を時間の丑寅に置き換え、旧12月の丑月(うしのつき)と旧正月の寅月(とらのつき)をともに年の境、丑刻・寅刻を昨日から今日の1日の境とし、この丑寅を変化宮とみての畏怖(いふ)による、とするが、このほかにも異説がある。
 (2)は、一定の法則によって循環する凶神・吉神の在泊方位につれて、その吉凶が変わるもので、その凶災には金神(こんじん)、八将神(はっしょうじん)などによる「神殺(しんさつ)」と、方位による「方殺(ほうさつ)」とがある。金神の作用は強く、その在泊方位に向かって土木作業、出行、移転などを忌む。八将神は陰陽道における午頭天王(ごずてんのう)の八王子で、四季と四つの土用の行疫神。一定周期により循環するこの八神の在泊方位は禁方となる。これらの神殺に対し、方殺では、五黄殺(ごおうさつ)、暗劔殺(あんけんさつ)、本命殺(ほんめいさつ)、本命的殺(ほんめいてきさつ)、歳破(さいは)が五大方殺とされ、これらの方位はすべて凶である。
 吉神は歳徳(としとく)、太歳(たいさい)、天徳(てんとく)、月徳(げっとく)、天徳合(てんとくごう)、月徳合(げっとくごう)などで、その在泊方位を用いる人々に対し幸慶を与えるとし、「恵方詣(えほうまい)り」で知られる恵方とは、その年の歳徳神の在泊方位をさすものである。[吉野裕子]

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世界大百科事典内の方位の言及

【空間】より

…ただし,動物での個体空間を抽出することはむずかしく,人間の場合は言語をもちいてはじめて明らかになったにすぎない。【吉田 集而】
[方位における空間認識]
 人は自分の住んでいる自然にもとづいて空間意識をもつ。地球が丸いということがわかり,地球が自転しつつ太陽の周囲を公転するという認識がもてた現在でも,太陽は東からのぼり,西に沈むという意識を人々はまだ用いている。…

【数】より

…前者は対概念を二つ組み合わせて4要素とし,この四つの要素によって世界が成立しているとみる世界観である。典型的なものは4方位に関係づけられた世界観である。一方,八分観はきわめてまれなものであるが,原理的には四分観の4要素がさらに二分された8要素からなると考える世界観である。…

※「方位」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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