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電子顕微鏡 でんしけんびきょう electron microscope

翻訳|electron microscope

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

電子顕微鏡
でんしけんびきょう
electron microscope

電子線を用い,電子レンズによって試料の拡大像を得る装置。電子線の波長が短いので,光学顕微鏡よりもはるかに高倍率・高分解能をもっている。大きく分けると透過型と走査型とがある。 (1) 透過型 加速された電子線を磁界レンズにより試料に集束させ,試料を透過した電子線を再び磁界レンズによって結像させ,ケイ光面上に拡大像を得るもの。

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デジタル大辞泉の解説

でんし‐けんびきょう〔‐ケンビキヤウ〕【電子顕微鏡】

光線の代わりに高圧で加速された電子線を、光学レンズの代わりに電子レンズを用いた顕微鏡光学顕微鏡の数万倍の倍率をもつ。電顕。EM(electron microscope)。

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百科事典マイペディアの解説

電子顕微鏡【でんしけんびきょう】

光線の代りに電子線,光学レンズの代わりに電子レンズを用いて物体の拡大像を得る装置。1931年,ドイツのM.クノルとE.ルスカが発明。はじめは数百倍の倍率にすぎなかったが,数年後にはウイルスの研究などにたえる10万倍以上のものが開発された。
→関連項目イオン顕微鏡応用物理学金属組織学金属物理学外村彰レプリカ法

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栄養・生化学辞典の解説

電子顕微鏡

 電子線を利用して,膜にのせた試料の構造をみる装置.光による顕微鏡よりはるかに拡大することができる.走査型,透過型がある.

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世界大百科事典 第2版の解説

でんしけんびきょう【電子顕微鏡 electron microscope】

光のかわりに電子を用い,光学レンズのかわりに電子レンズを用いて物体の拡大像を作る装置。1926年ドイツのイェーナ大学ブッシュH.Buschによって電子レンズの理論が発表され,その後,この理論に基づき,32年,ベルリン工科大学においてルスカE.Ruskaは,その指導者クノルM.Knollとともに電子源と電子レンズの組合せによる世界最初の電子顕微鏡を作った。そして39年には,ドイツのジーメンス社によって商品として第1号機が世に送り出された。

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大辞林 第三版の解説

でんしけんびきょう【電子顕微鏡】

電子流を電場または磁場による電子レンズで集束させて、その通路におかれた試料の像を拡大させる装置。光学顕微鏡よりはるかにすぐれた分解能をもつ。1930年代前半に、ルスカらによって開発。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

電子顕微鏡
でんしけんびきょう
electron microscope

光のかわりに電子を用い、物体の拡大像をつくる装置。電子顕微鏡の特徴は、光学顕微鏡では見えない小さな物体を見ることができる点にある。細胞やバクテリアは光学顕微鏡でも見ることができるが、およその輪郭が見えるのみで、内部の微細構造は電子顕微鏡でなくては見ることができない。
 光学顕微鏡の分解能はたかだか0.4マイクロメートルである。これは光波の波長がその程度の大きさであるからで、どんなにレンズを改良しても、原理的に破りえない限界である。電子顕微鏡がこの限界を突破しえたのは、電子波の波長が光波に比べてはるかに短いからである。
 電子顕微鏡には多くの型があるが、普通に電子顕微鏡といえば、透過型か走査型のいずれかである。これらは理化学器械として市販され、工学、医学、農学の各分野で広く使われている。
(1)透過型電子顕微鏡 この型は英語のtransmission electron microscopeの頭文字をとってTEM(テム)と略称される。フィラメントから出た電子を数十万ボルトに加速し集束して薄片試料に照射する。透過電子線像を、電子レンズで次々に拡大し(標準型では、対物、中間、投影の三段レンズ)、終段像を蛍光板で観察し、カメラで撮影する。電子線の通路は、もちろん、すべて真空にしてある。ここに用いられているレンズは、いずれも磁界型電子レンズで、原理的には電子線を軸とするコイルである。これに流す電流(直流)を増減すれば、焦点合わせや倍率変化ができる。
 試料は予備排気室を通し、1分もかからずに大気中から真空中に挿入できる。試料を前後左右に移動して目的の視野を探し、倍率(1000倍~100万倍)を適当に選んで、観察、撮影をする。この間に多くの調整が必要で、とくに高拡大では高度の技術を要する。光学顕微鏡のスライドガラスに相当するものは、径0.1ミリメートルの多数の小孔である。その孔に非晶質炭素の薄膜(はくまく)(厚さ10ナノメートル程度)を張り、その上に粘土や煙などの微粒子の試料をのせて観察する。試料の厚さが100ナノメートルを超すと、電子線がほとんど通らず、輪郭だけしか見えないから、内部構造を見るには、試料をさらに薄くするか、超高圧電子顕微鏡を用いなければならない。塊状金属から薄片試料を切り出すには、電解研磨法やイオンビーム研磨法が使われる。この手法による試料で、種々の格子欠陥が観察される。生物組織は固定、包埋したのち、ガラスやダイヤモンドのナイフで超薄切片に切る。TEMでは、直接に表面の凹凸を見ることはできないが、薄膜に写し取って見ることができる(レプリカ法)。そのほか、多種多様な試料技術が開発され、TEMの用途を広げた。また、数十万ボルトでは透過しない厚い試料を見るために、100万ボルト級の超高圧電子顕微鏡も開発されている。
(2)走査型電子顕微鏡 この型は英語のscanning electron microscopeの頭文字により、SEM(セム)と略称される。ここでも磁界型レンズが使われているが、これらは、像の拡大のためではなく、電子線を細く絞るために使われる。絞った電子線で試料面上を走査し、発生する二次電子を検出、増幅してブラウン管のグリッドに入れ輝度を変調する。二次電子の量は表面の物質と表面の凹凸によるので、テレビと似た原理で蛍光面上に拡大像が得られる。倍率は試料面上と蛍光面上の走査振幅の比で決まる。二次電子のかわりに反射電子や試料電流を使うこともできる。
 SEMの分解能は電子線を細く絞るほどあがるが、通常は数ナノメートル程度で使われ、TEMには及ばない。しかし、TEMよりも試料技術が容易なうえ、複雑な表面を立体的に見うる特徴がある。SEMは、普通には厚い試料の表面観察に使われるが、薄片試料を走査して透過電子線を検出すれば、TEMとほとんど同じ像を生ずる。これがSTEM(ステム)である。特別に小さい電子源を装備したSTEMは、TEMに勝るとも劣らない高分解能をもち、孤立原子の像さえも得ている。透過電子線のエネルギー分析をすると、物質を固定したり電子状態を知ることもできる。
 電子顕微鏡開発の歴史は、ブラウン管の発明(1897)にまでさかのぼる。その後、電子光学の研究はドイツで発展し、E・ルスカが原始的なTEMを開発し光学顕微鏡の限界を超えたのが1933年である。その後の改良も、おもなものはほとんどドイツで行われた。SEMの実用化は、イギリスのケンブリッジ大学で1950年代に進んだ。また、高分解能STEMは1960年代にアメリカのクルーAlbert V. Creweにより発明された。電子顕微鏡の生産台数は、現在、日本が世界一といってもよい。[上田良二・外村 彰]
『外村彰編『電子顕微鏡技術』(1989・丸善) ▽多目的電子顕微鏡編集委員会編『多目的電子顕微鏡――見る測る確かめる』(1991・共立出版) ▽医学・生物学電子顕微鏡技術研究会編『よくわかる電子顕微鏡技術』(1992・朝倉書店) ▽日本表面科学会編『透過型電子顕微鏡』(1999・丸善) ▽日本電子顕微鏡学会関東支部編『走査電子顕微鏡』(2000・共立出版) ▽日本表面科学会編『ナノテクノロジーのための走査電子顕微鏡』(2004・丸善) ▽奥健夫著『これならわかる電子顕微鏡――マテリアルサイエンスへの応用』(2004・化学同人) ▽田中通義・出井哲彦著『透過電子顕微鏡用語辞典』(2005・工業調査会) ▽永野俊雄・牛木辰男・堀内繁雄著『電子顕微鏡でわかったこと――細胞の微細構造から原子の姿まで』(講談社・ブルーバックス)』

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