青貝長兵衛(読み)あおがい・ちょうべえ

朝日日本歴史人物事典 「青貝長兵衛」の解説

青貝長兵衛

生年生没年不詳
江戸前期の螺鈿工。長崎出身で,中国人にアワビ貝を用いた薄貝による螺鈿法を学び,従来の日本の螺鈿に唐風を加味した独特の表現を確立した。長崎では,幕末から明治期にかけて,いわゆる青貝細工で飾られた作品が大量に製作された。これらは「長崎もの」と呼ばれ,海外へ輸出されて大いにもてはやされたが,これも青貝長兵衛を中心とした長崎の螺鈿工の系統を継ぐ人々によって作り出されたものと考えられる。<参考文献>風俗絵巻図書刊行会編『蒔絵師伝・塗師伝』

(小松大秀)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「青貝長兵衛」の解説

青貝長兵衛 あおがい-ちょうべえ

?-? 江戸時代前期の螺鈿(らでん)工。
寛永(1624-44)のころの肥前長崎の人。それまでの厚手の貝にかえて,うすい貝で装飾する方法を中国人からまなび,青貝細工あるいは青貝摺(ずり)とよばれる技法をひろめた。青貝細工の祖。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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