朝日日本歴史人物事典 「青貝長兵衛」の解説
青貝長兵衛
江戸前期の螺鈿工。長崎の出身で,中国人にアワビ貝を用いた薄貝による螺鈿法を学び,従来の日本の螺鈿に唐風を加味した独特の表現を確立した。長崎では,幕末から明治期にかけて,いわゆる青貝細工で飾られた作品が大量に製作された。これらは「長崎もの」と呼ばれ,海外へ輸出されて大いにもてはやされたが,これも青貝長兵衛を中心とした長崎の螺鈿工の系統を継ぐ人々によって作り出されたものと考えられる。<参考文献>風俗絵巻図書刊行会編『蒔絵師伝・塗師伝』
(小松大秀)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報