馬山浦事件(読み)まざんぽじけん(英語表記)Masanp'o sakǒn

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「馬山浦事件」の意味・わかりやすい解説

馬山浦事件
まざんぽじけん
Masanp'o sakǒn

ロシアが,不凍軍港を求めて朝鮮の慶尚南道馬山浦 (現マサン〈馬山〉市) を占拠しようとした事件。ロシアは,旅順,大連港とウラジオストクの連絡と,対馬海峡の安全航行をはかり,海軍基地設営地を求めた。光武3 (1899) 年4月,ロシア公使パブロフは軍艦『マンチュール』号で馬山浦に入り,東洋汽船会社の杭を要地一帯に打込み,韓国に譲渡を要求した。外相朴斉純は駐露公使林董に通報,日本は釜山商人迫間房太郎名義で参謀本部資金をもって要地買収を行い,ロシアの軍港計画を失敗させた。

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世界大百科事典(旧版)内の馬山浦事件の言及

【巨文島】より

…朝鮮政府はこれに抗議し,ロシアも対抗措置を表明したため,87年2月清国の仲介によって撤退が行われた。朝鮮が帝国主義列強による領土分割競争の対象とされた事件で,こののちロシアが朝鮮の土地の租借を要求した事件に99年の馬山浦事件,1903年の竜岩浦事件などがあるが,いずれも日本の妨害で実現しなかった。【吉野 誠】。…

※「馬山浦事件」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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