日本大百科全書(ニッポニカ) 「骨密度測定検査」の意味・わかりやすい解説
骨密度測定検査
こつみつどそくていけんさ
骨密度を測定する検査。骨塩定量検査、BMD(bone mineral density)検査ともよばれる。骨内のカルシウムからなる骨塩の密度を定量的に測定する検査であり、老化や副甲状腺機能亢進(こうしん)症などに伴う骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の診断を行う。定量的に骨密度が測定可能であるので、骨粗鬆症の治療効果判定にも用いられる。
測定方法により超音波法、MD(Microdensitometry)法、DXA(デキサ)(dual-energy X-ray absorptiometry)法がある。超音波法では踵(かかと)の骨密度を超音波で測定する。X線を使用しないため被曝(ひばく)がない。MD法は手と厚みの異なるアルミニウム板を一緒にX線で撮影し、アルミニウムを指標として骨塩を定量的に評価する。DXA法は2種類の異なるエネルギーのX線を用い、骨およびその他の組織のX線の吸収率が異なることを利用して骨密度を正確に測定する方法である。DXAは骨量、体脂肪量および除脂肪軟部組織を分離して測定することが可能であり、筋肉量減少による身体機能の低下をおこすサルコペニアの診断にも用いられる。
[桐生 茂 2021年8月20日]