骨髄穿刺の方法

内科学 第10版 「骨髄穿刺の方法」の解説

骨髄穿刺の方法(骨髄穿刺・生検)

(2)骨髄穿刺の方法
 体幹部は造血巣が比較的保たれる傾向があるので,穿刺部位として胸骨第2または第3肋間や後腸骨稜が選択されることが多い.ただし医療事故のリスクや患者の希望から,最近は腸骨が選択される傾向にある.日本血液学会では,「成人に対する骨髄穿刺の穿刺部位に関する注意」なる声明が出され,腸骨の選択が推奨されている(臨床血液50巻6号,2009年).穿刺部皮膚を消毒後,皮下から骨膜表面に十分な局所麻酔を施した後,骨髄穿刺針(近年ディスポーザブルの穿刺針が主流)の先端を骨髄腔内まで押し進めて内針を抜き,かわりにシリンジを装着して,骨髄内の血液0.3~0.4 mL程度を瞬時吸引採取する.骨髄血は凝固しやすいので,時計皿にはき出した後手早く有核細胞・巨核球数カウント用に一部採取し,ついでスライドグラスに塗抹標本を必要枚数分(通常10枚くらい)作成する.敏速な作業のため臨床検査技師の協力が望ましい.凝固した残血は骨髄クロットとして剥離回収し,病理組織検査にまわす.染色体検査・遺伝子検査やフローサイトメトリーが必要なときは,続けて新たなシリンジに少量ヘパリンを吸ったものを用いて3~5 mL程度を吸引する.[通山 薫]

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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