高並村(読み)たかなみむら

日本歴史地名大系 「高並村」の解説

高並村
たかなみむら

[現在地名]院内町高並

高並川が恵良えら川に合流する山間部に位置し、高並川に沿って続く谷の入口にあたる。東は櫛野くしの村、北は香下こうした村。恵良川から分れた所を打上うちあがりといい、古代はここまで海水が入ってきていたという。高波とも書く。高並村を本貫地とし、豊前国・肥前国に所領をもつ御家人高並氏がいた。年月日未詳の鎮西探題裁許状(宮成文書)に兵庫馬又五郎範時とみえる。兵庫馬又五郎は高並範時のことで、範時の子経範と能範は弘安八年(一二八五)の筑前国那珂なかひがし岩門いわと(現福岡県那珂川町)で反逆した武藤景資に味方した。岩門合戦で敗れたため多くの所領を失った。能範は高並小次郎入道妙願と称し、正和元年(一三一二)一二月二日の鎮西下知状(薬丸文書)によると「野中郷内千万名」を買得していたが、神領興行によって返付させられている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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