高山文書(読み)たかやまもんじよ

日本歴史地名大系 「高山文書」の解説

高山文書
たかやまもんじよ

解説 平姓秩父氏の一族で高山御厨・高山庄周辺に勢力を張った国人高山(小林)氏の相伝文書。重を通字とする。現在藤岡市内在住の高山鶴治・徳樹・満雄・吉重が分割所有しており、高山吉重蔵の高山系図のなかにも数点引用されている。永禄年間、武田信玄が西上州に侵攻した折、高山行重・定重以下の高山衆(酒井・馬庭ら)は最前に在所を退いて馳せ参じており、以後上武国境地帯を守る武田方国人として活動した。文書の多くは武田氏の発給文書である。元亀三年六月一四日付の武田家朱印状(高山徳樹蔵)は、高山定重に命じて東平井市を三・八の六斎市と定め、欠落ちした多比良領・高山領地下人の人返しを指令した分国法である。戦国時代以前の高山氏については、米良文書や熊野本宮大社文書のなかで熊野修験の有力檀那としてみえている。

活字本 大部分を「群馬県史」資料編七に採録

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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