高砂物(読み)たかさごもの

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「高砂物」の意味・わかりやすい解説

高砂物
たかさごもの

日本音楽,舞踊の楽曲分類名称。能の『高砂』を原拠として作られた曲を統括していう。すべて祝儀,祝賀曲としての性格をもつ。 (1) 一中節『高砂松の段』 1世都太夫一中作曲。 (2) 長唄 (a) 『女夫松 (みょうとまつ) 高砂丹前』 1世杵屋正次郎作曲。天明5 (1785) 年江戸桐座初演『男山娘 (ふりそで) 源氏』の舞踊劇。 (b) 『新曲高砂』 半井 (なからい) 桃水作詞,4世吉住小三郎,3世杵屋六四郎合作。 1916年研精会 150回記念演奏会初演。 (3) 地歌箏曲 (a) 『高砂』 戸川勾当作曲。三下り端歌物。 (b) 『新高砂』 明治3 (1870) 年頃1世寺島花野作曲。箏高低二部合奏明治新曲。別題『雲井高砂』。 (c) 『高砂』 山田流箏曲初学曲。 (4) うた沢『高砂』 作曲者未詳。三下がり。

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