鳴海兵庫(読み)なるみ・ひょうご

朝日日本歴史人物事典 「鳴海兵庫」の解説

鳴海兵庫

生年生没年不詳
江戸前期の銭貨鋳造職人。寛永通宝の新鋳の際,銭座頭本人を務めたといわれる。名は賢信江戸幕府は寛永13(1636)年,金銀貨に遅れてやっと銭貨の公鋳を江戸と近江坂本で開始したが,江戸では浅草橋場と芝網縄手の2カ所に鋳銭所が設けられた。このうち芝の鋳銭所には室町幕府の銭奉行を務め,永楽銭の模造銭を鋳造していたが,のち浪人して水戸にいた鳴海氏を,徳川家康の側近天海が招請し,兵庫が銭座頭本人になったといわれる。ただし,これは約150年後の子孫が著した『鳴海平蔵由緒書』によるものであり,信頼性が薄いといわれる。<参考文献>日本銀行調査局編『図録日本の貨幣』2巻,近藤守重『銭録』(『近藤正斎全集』3巻)

(岩橋勝)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「鳴海兵庫」の解説

鳴海兵庫 なるみ-ひょうご

?-? 江戸時代前期の銭貨鋳造職人。
寛永13年(1636)江戸芝の銭吹所,銭座(新銭座)の頭本人をつとめ,寛永通宝の鋳造にあたったといわれる。名は賢信(たかのぶ)。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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