朝日日本歴史人物事典 「麹五吉」の解説
麹五吉
江戸中期の人。名を吉五郎といい,江戸麹町5丁目に住んでいたので,通称を麹五吉といった。安永~天明年間(1772~89)に神社仏閣を巡拝して祈願する千社詣が盛んになった際,参詣の人々が自分の名前や生国,住所などを印刷した小型の紙を,社殿や楼門の扉や柱,天井などに貼り納める千社札を考案し,千社納札流行の端緒を作ったと伝えられる。一説には,この発明者は天愚孔平(本名荻野信敏,出雲松江藩士)で,特に天井や柱の高い所に千社札を貼るために長竿を用いるのは,彼の発明になるという。
(宇田敏彦)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報