黒にきび(読み)くろにきび

日本大百科全書(ニッポニカ) 「黒にきび」の意味・わかりやすい解説

黒にきび
くろにきび

にきび一種。思春期以降、顔面に好発する尋常性挫瘡(ざそう)(にきび)の症状の一つで、開放面疱(めんぽう)ともよぶ。毛包内に角質や皮脂が貯留し充満した状態を面疱とよび、このうち、毛孔内に皮脂が多量に貯留して膨れたために毛孔が開いている直径5ミリメートル程度の開放面疱は、毛孔表面に近い皮脂の酸化とメラニン色素の影響で黒色にみえることから、黒色面疱、あるいは黒にきびと俗称される。疼痛(とうつう)や腫脹(しゅちょう)は伴わないが、圧迫するとチーズのような膿(うみ)が出てくる。治療はアダパレンや過酸化ベンゾイルの外用、および抗菌薬の内服や外用を併用する。面疱圧出などにより毛包内に詰まった角質や皮脂を取り除くこともある。

[編集部 2017年4月18日]

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世界大百科事典(旧版)内の黒にきびの言及

【にきび】より

…思春期を中心に大部分の人に経験される変化で,性的成熟に伴う性ホルモン変動による皮脂排出量の増加と同時に角化亢進によって皮脂が毛囊内に貯留して面皰が形成されるのが〈にきび〉のはじまりである。このうち毛孔が開口しているものを開放性面皰,閉じているものを閉鎖性面皰といい,前者は表面が黒化しているので俗に〈黒にきび〉とよばれる。丘疹は,これに細菌のリパーゼが作用して生成された遊離脂肪酸による炎症が伴って発症するが,その程度によって大きさはさまざまである。…

※「黒にきび」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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