知恵蔵 「黒子のバスケ」の解説
黒子のバスケ
誠凛(せいりん)高校バスケットボール部を舞台に、影の薄い主人公・黒子テツヤとチームメイトがインターハイやウインターカップ出場を目指し、東京都予選でライバル校と戦う物語。テレビアニメが12年4月から9月まで毎日放送、TOKYO MX、BS11で放送。小説版も出版、「集英社ヴォイスコミックステーションサイト」でラジオドラマ化もされた。株式会社バンダイナムコゲームスからテレビゲーム「黒子のバスケ キセキの試合」が発売されている。
バスケットボールの強豪校、帝光中学校では、かつて同時期に5人の天才プレーヤーがそろい、彼らは「キセキの世代」と呼ばれた。更には、この5人の他に「幻の6人目(シックスマン)」といわれる選手がいたとのうわさがあった。この伝説のシックスマンこそが黒子テツヤであり、彼は創部2年目の誠凛高校バスケットボール部へ入部する。米国帰りで身長190センチメートルの火神大我との出会いや、先輩の木吉鉄平と日向順平、生徒でありながら監督である相田リコらの助言を受けて成長しながら、「キセキの世代」の5人それぞれが所属するライバル校との対戦を繰り広げる。
バスケットボールマンガとしてコミックやテレビアニメで人気が高まる一方、『黒子のバスケ』の作者や出版社、関連商品を扱う書店やコンビニに脅迫状が届く事件が相次いだ。12年10月には作者が在籍していた上智大学に脅迫文と液体が入った容器が届き、液体を分析したところ、気化すれば致死量を大幅に上回る硫化水素が発生した可能性があったことが分かった。このほか、イベントを予定していた会場や作者の母校、出版社や書店、番組を放送していた放送局などに、商品販売や催し、番組の中止などを要求、関連商品の菓子を扱うコンビニやその製造元には「毒を入れて店頭に置く」などの犯行声明が届いていた。13年12月15日には、警視庁捜査第一課は、犯人を威力業務妨害容疑で通常逮捕した。
(若林朋子 ライター / 2013年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報