黒鉛チャンネル炉(読み)こくえんチャンネルろ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「黒鉛チャンネル炉」の意味・わかりやすい解説

黒鉛チャンネル炉
こくえんチャンネルろ

RBMK炉。黒鉛減速軽水冷却沸騰水炉で,1964年のベロヤルスク原子力発電所で初めて運転を開始した。大事故を起こしたチェルノブイリ原発も同じ炉型で型式は RBMK-1000である。黒鉛で中性子を減速し,軽水で炉心を冷却する。円筒形の炉内には,煉炭のように円筒状の穴が開いた黒鉛ブロックが積み上げられており,各穴の中に約 1700本の圧力管 (チャンネル) が一本ずつ収められている。各圧力管の中には,18本の二酸化ウラン燃料棒を束ねた熱料集合体が一体ずつ装荷されている。運転しながら燃料交換できるのが特徴であるが,低出力で正の反応度をもつ難点があり,出力調整のための原子炉制御規則が定められていた。チェルノブイリ原発事故においては,運転員が発電を停止しないことに重きを置いて,規則違反を重ねたため,大きな事故につながった。

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