春草の(読み)ハルクサノ

デジタル大辞泉 「春草の」の意味・読み・例文・類語

はるくさ‐の【春草の】

[枕]
芽生えた春の草の愛らしい意から、「めづらし」にかかる。
「―いやめづらしき我が大君かも」〈・二三九〉
春の草が生い繁る意から、「しげし」にかかる。
「―繁きが恋大き海の」〈・一九二〇〉

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精選版 日本国語大辞典 「春草の」の意味・読み・例文・類語

はるくさ‐の【春草の】

  1. 春の草がめでるべきである意から「愛(め)づらし」にかかる。
    1. [初出の実例]「春草之(はるくさの) いやめづらしき 吾が大君かも」(出典万葉集(8C後)三・二三九)
  2. 春の草が生い繁る意で、「繁(しげ)し」にかかる。
    1. [初出の実例]「春草之(はるくさの)繁き吾が恋大海の辺に行く波の千重(ちへ)に積もりぬ」(出典:万葉集(8C後)一〇・一九二〇)

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