日本大百科全書(ニッポニカ) 「1ボックスカー」の意味・わかりやすい解説
1ボックスカー
わんぼっくすかー
single volume car
エンジンやトランクも客室部分に含めた箱形の商用車、乗用車。第二次世界大戦後の典型的な乗用車のスタイルは、エンジンの入ったボンネット部分、客室部分、後方に突き出したトランク部分の三つのボリュームからなる3(スリー)ボックス型であった。1960年代からは前輪駆動車(FF)を中心に後方にトランクの突き出さない2(ツー)ボックス型が普及したが、さらにエンジンまでもボディーに含め、ボンネットを取り除いて一つの箱にしてしまったのが1ボックスカーである。もともと小型商用車のデリバリー・バンとして発達したが、70年代後半から内装を豪華にして乗用車として登録するものが現れ、乗用車の一型式として市民権を得るに至った。室内空間が広く、座席数が多く、回転対座シートなども備えることができるので、大家族用の乗用車、レジャーカーに適している。
[高島鎮雄]