精選版 日本国語大辞典 「後方」の意味・読み・例文・類語
あと‐かた【後方】
〘名〙
① あとのほう。うしろ。しりえ。こうほう。
※類従本讚岐典侍(1108頃)下「殿のあとかたに寄り奉らせ給ひしかば」
② のちのこと。また、死後のこと。
※真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉六八「花車重吉は江戸へ帰りました。跡方は惣吉といふ取って十歳の子供とお隅に母親と」
うしろ‐がた【後方】
※栄花(1028‐92頃)歌合「又賭弓(のりゆみ)あれば、前方、うしろかたと、ことどもわきて」
のち‐かた【後方】
〘名〙 のちほど。後刻。
※歌舞伎・名歌徳三舛玉垣(1801)三立「まっ此よふにあちらこちら、かへてしからば後かたまで、其状箱は足軽弐人へ、預けて置けば互に目代(めしろ)」
しる‐え ‥へ【後方】
〘名〙 「しりえ(後方)」の上代東国方言。
※万葉(8C後)二〇・四三八五「行こ先に波なとゑらひ志流敝(シルヘ)には子をと妻をと置きてとも来ぬ」
こう‐ほう ‥ハウ【後方】
〘名〙 うしろのほう。後面。〔医語類聚(1872)〕
※橇(1927)〈黒島伝治〉七「兵タイをのせてゐた橇は、三露里も後方に下って」
しり‐ざま【後方】
〘名〙 後ろの方向。しりえ。
※撰集抄(1250頃)三「しづかに聞え侍らんと思ひて、しりざまにつきてまかり侍りぬ」
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