世界大百科事典(旧版)内の1960年パラダイムの言及
【産業社会】より
…代表的な業績にはC.カーらの〈インダストリアリズム〉論,W.W.ロストーの〈経済成長の諸段階〉,ロスとハートマンの労働争議の国際比較研究などがあるが,影響力の大きさという点では,D.ベルの〈イデオロギーの終焉(しゆうえん)〉論,R.ダーレンドルフの社会階級論も見落とせない。その業績のほとんどが1960年に出版されているから,現代の(後期)産業主義を〈1960年パラダイム〉と呼ぶこともできよう。カーらが〈工業化エリートの自然史〉(植民地行政官,世襲的エリート,民族主義的指導者,革命的知識人はそれぞれに工業化のための下地を用意しうるが,最終的には淘汰され,中産階級の工業化エリートが残るという考え)を踏まえて展望した〈多元的インダストリアリズム〉は,まさに中産階級の社会であった。…
※「1960年パラダイム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」