知恵蔵 「ABCモデル」の解説 ABCモデル 植物の花弁、萼(がく)片、雄しべ、雌しべ(心皮)がA、B、Cの3つの遺伝子の機能の組み合わせによって決定されているという説。すなわちAのみがはたらくと萼片が、AとBがはたらくと花弁、BとCがはたらくと雄しべ、Cだけがはたらくと雌しべができるという仮説。1990年代後半からシロイヌナズナのゲノム解読によって、このモデルが正しいことが立証され、他の顕花植物でも原則として正しいことが証明されている。現在では、A、B、Cそれぞれの遺伝子がクローニングされており、A、B、Cが単一遺伝子ではなく、複数の類似遺伝子からなるクラスをなし、いずれもホックス遺伝子であることがわかっている。 (垂水雄二 科学ジャーナリスト / 2008年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報