デジタル大辞泉
「花弁」の意味・読み・例文・類語
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はな‐びら【花弁・花瓣・花片・葩・花平】
- 〘 名詞 〙
- ① かべん。特に、桜の花びらをさして季語として用いることがある。《 季語・春 》 〔十巻本和名抄(934頃)〕
- [初出の実例]「たたちりばかりこの花びらにときこゆるを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)紅葉賀)
- ② 「はなびらもち(花弁餠)」の略。〔日葡辞書(1603‐04)〕
- ③ 法事の時にまき散らす、紙製の五色の蓮の花弁。散華(さんげ)。
- [初出の実例]「むろまち殿より御はなひら百まゐ、きんきんふちそのほかことをつくして色々にまいる」(出典:御湯殿上日記‐文明一四年(1482)一一月二四日)
か‐べんクヮ‥【花弁・花瓣】
- 〘 名詞 〙 花を構成する一要素で、萼(がく)と雄しべの間に位置する。ふつう、一花には三~五枚、またはその倍数あり、一枚ずつ離れているもの(離弁)と、癒合しているもの(合弁)に大別される。一般に萼片(がくへん)に較べて大形で、白、赤、黄など緑色以外のものが多い。はなびら。〔植学啓原(1833)〕〔群芳譜‐花譜四〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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花弁
かべん
花びらともいう。花冠を構成している花葉(かよう)のことで、萼片(がくへん)に比べると普通は大きくて薄い。種々の色素を含んで色づくが、普通はクロロフィルを含まない。解剖的には簡単で、脈は二叉(にさ)分岐をし、明らかな中脈はもたないものが多い。蜜腺(みつせん)をもつものもある。
花弁の由来には二つの場合がある。第一は花被片(かひへん)が萼片(がくへん)と花弁に分化した場合で、萼片との間に移行型を示すものが多い。モクレン科などにみられる。第二は外部の雄しべが花粉形成をやめて弁化したもので、雄しべとの間に移行型を示すものが多い。キンポウゲ科などにみられる。園芸植物の八重咲きや半八重咲きでは雄しべが弁化している。まれにモクレン目に分類されるエウポマチアEupomatiaのように、内部の雄しべが弁化するものもある。雄しべが花粉形成をやめても花弁状にならず、小形の球形、棍棒(こんぼう)状、鞭(むち)状、鱗片(りんぺん)状などの構造に変形したものを仮雄蕊(かゆうずい)という。仮雄蕊は蜜分泌の器官となるものが多い。
[田村道夫]
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花弁【かべん】
花を構成する一器官で,萼(がく)の内側に生ずる。葉の変形したもの。一般に色彩に富み,クロロフィルを含まないことが多い。→花被
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花弁
かべん
petal
「はなびら」とも読む。花冠を構成している花葉。萼片に比較し,一般に葉緑素を欠き,逆に美しい色素を有していることが多い。何枚かが離れて存在するもの (離弁花) と,癒着するもの (合弁花) がある。
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普及版 字通
「花弁」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の花弁の言及
【花冠】より
…花弁が集まってつくる花のうち最も目につく部分。花葉(花を形づくる花軸以外のすべての器官)のうち裸葉性のもの(おしべと心皮を除く部分)を花被というが,花被が2層に分かれ,外花被と内花被が形態的に顕著な差を示すとき,前者を萼片,後者を花弁という。…
※「花弁」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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