隠花植物の対語。花を咲かせる植物の総称で,裸子植物と被子植物を含む(ブロニャールA.Brongniart,1843)。有花植物はこれとほぼ同義語的に用いられることもあるが,元来は被子植物のみをさす。〈花〉を被子植物だけのものとして認識するか,裸子植物にまで広げて解釈するかによって範囲が変わるが,もともと顕花植物は裸子植物を含めていた。花を構成する萼,花弁,おしべ,めしべの諸器官の起源を探ると,すべて葉の変形したものと考えられる。この観点からは花は〈胞子葉が茎頂に密生したもの〉と定義することができる。この定義によれば隠花植物に属するシダ植物中のトクサ類,ヒカゲノカズラ類の胞子囊穂(いわゆる穂)も一種の花とみなすことができ,そうなるとシダ植物の中にも花をもつものがあることになり,顕花・隠花植物の区別が厳密には不可能になる。このため顕花植物に代わり,種子をもつものということで,現在では種子植物の語が用いられるようになった。
→隠花植物
執筆者:西田 誠
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…しばしば高等植物と呼ばれることがある。 かつて,植物界を花の有無によって顕花植物と隠花植物に二分する分類法があった(ブロニャールA.Brongniart,1843)。比較器官学の立場から花は〈茎頂に胞子葉が密生したもの〉と定義づけられるので,隠花植物に属するシダ植物の中にも一種の花を咲かせるものがあることになる(例,ヒカゲノカズラ,トクサ)。…
※「顕花植物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加