世界大百科事典(旧版)内のattributionの言及
【鑑定】より
…鑑定には当然真贋の問題が含まれるが,鑑定作業のなかにはさらに,弟子あるいは助手による模写か否か,工房の作品,複数の作者がかかわった作品の分担部分の見極めなどの作業も含まれ,また別人ないし後世の手になる補筆,補修の発見などもその作業に含まれる。鑑定の最大の目的は作者の決定,いわゆるアトリビューションattributionであるが,その結果によって作品の市場(商品)価値にも大きな影響を及ぼすこともあり,この点で鑑定は,ある作品の作者や制作年代などをめぐる純粋に学問的な研究とは性格を異にしている。
[欧米]
真贋問題も含めた鑑定の歴史は西洋ではルネサンス時代にさかのぼるが,しかし近代的な意味での鑑定が行われ始めたのは,美術館が整備され,その所蔵品の整理,研究,あるいはカタログ化が盛んになり,また美術史そのものの研究が飛躍的な展開を見た19世紀後半からである。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」