帰属は自分の行動やその帰結に関しても行なわれる。自己知覚理論self-perception theoryは,人が自分の行動とそれが行なわれた社会状況の観察から,自分の内的特性を推論する過程を示した。情動の二要因理論two-factor theory of emotionも同様に,生理的覚醒と情動的反応の帰属を核心とする認知的ラベリングが情動経験にとって必要な場合を示した。この実験では,自己の反応を誤帰属する場合があることも明らかにした。さらに,自分の行動の帰結は成功あるいは失敗と評価されることがあるが,その帰属は内的-外的次元だけではなく,安定-不安定もしくはコントロール可能性の次元でも行なわれる(Weiner,B.,1979)。この帰属内容に応じて,後の達成動機づけが影響を受けることがある。たとえば,失敗を能力不足よりも,努力不足(内的・不安定要因)に帰属した方が,次の課題への動機づけは高まるだろう。