世界大百科事典(旧版)内のbourgeoisの言及
【市民】より
…ヨーロッパの中世においては,市民は城塞の中に住む人たちを意味した。市民がブルジョアbourgeoisとも呼ばれるのは,bourg(城)の中に住む人たちであるからにほかならない。農村が封建領主の支配下におかれていたのに対して,中世の諸都市は,領主,司教,国王などの対立関係を巧みに利用しながら,貨幣鋳造権,徴税権,裁判権などの自治権を獲得し,さらに独自の軍隊をもって外敵の侵入に備えた。…
【市民社会】より
…日本の歴史学や社会科学において,通常,civil society,bürgerliche Gesellschaft(ドイツ語),société civile,société bourgeoise(ともにフランス語)などの訳語として使われている用語。〈市民階級〉〈市民革命〉〈市民法〉〈市民的自由〉などとともに,近代のヨーロッパ社会の特質を認識し指示するために考案され,第2次大戦後,とくに有力になった概念の一つである。…
【ブルジョアジー】より
…一般的には,富裕な商工業者や財産所有者で構成されている社会層をいい,有産者階級などと訳される。ブルジョアジーという語は,ブルジョアbourgeoisの集合名詞であり,ブルジョアというのは,もともと町の人(町人)とか市民とかいう意味であるから,ブルジョアジーは,町人身分とか市民階級とか訳される場合もある。そして,主としてマルクス主義の用語法においては,ブルジョアジーは,近代資本主義社会における資本の所有者という意味で用いられ,したがって資本家階級と訳され,労働者階級としてのプロレタリアートの反対語とされる。…
※「bourgeois」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」