世界大百科事典(旧版)内のChinaの言及
【漢民族】より
… このようにして形成された民族集団が漢民族と称されるようになったのは,いうまでもなく,その集団のなかから統率者としての傑物が現れ,漢帝国なる王国を興し,その王国ないし王朝の支配下に包括され従属してみずから漢帝国の一員であることを認めた個々人または集団が,漢人と呼ばれ,漢民族と称されることを自他ともに容認したことによって漢民族とか漢人という名称として徐々に固定し,今日にまで受け継がれているものである。しからば漢代以前にこの種の民族集団は何と呼ばれていたかといえば,彼らは秦の始皇帝により統治されたため秦人と称され,それが今日のシナすなわちChina,Chineの名称として,いまなおその名がとどめられている。このように,時代をさかのぼってみれば夏・殷・周各王朝ごとに,その住民はそれぞれその王朝名で夏人または殷人などの名で呼ばれ,今日漢人たちがみずからを夏人と称するのも,夏の初代の天子禹が夏后氏すなわち夏の后(きみ)と呼ばれているように,これまた夏王朝名の名残りなのである。…
【支那】より
…唐初の玄奘も中央アジア,インドで自国が支那と呼ばれたことを伝えている。日本にも仏典を通じて伝えられ,空海の《性霊集》にすでに見えるが,新井白石の《西洋紀聞》など江戸時代中・後期ころからしだいに普及し,明治になって英語のChina,フランス語のChineなどとの対応から,清国や中華民国の国号とは別個の広義の地域名称として通行するにいたった。しかし,中華民国成立後,日本政府がことさら政治的意味をこめて使い,日本の大陸侵略と結びついて蔑称的性格が強められた結果,第2次大戦後は使用が避けられるようになった。…
【陶磁器】より
…なかでも東洋の磁器はヨーロッパの支配階級の間で熱狂的な人気を博し,中国,日本の磁器は金銀にも勝るほど高価なものであった。今日でもチャイナchinaは中国製ばかりでなく,磁器を指す名称となっている。ヨーロッパの各国は磁器焼成を競ったが,半透明な磁器は容易に焼成されなかった。…
※「China」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」