世界大百科事典(旧版)内のcomédiesérieuseの言及
【市民劇】より
… 市民劇drame bourgeoisという言葉を初めて意識的に用いその理論づけを行ったのは,フランスのD.ディドロである。1758年に《一家の父》という喜劇を発表した彼はそれに添えて〈劇芸術について〉という論文を発表し,人間の欠陥を対象とする滑稽な喜劇のほかに,人間の美徳と義務を対象にする〈真面目な喜劇comédie sérieuse〉があり,また,悲劇にも普通人の家庭的不幸を対象とする悲劇があると考えた。従来の古典的な分け方からいうと喜劇でも悲劇でもないこの中間のジャンルが,ディドロによれば〈正劇drame〉もしくは市民劇であり,それは散文で書かれるべきだと主張した。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」