d-d遷移(読み)ディーディーセンイ

化学辞典 第2版 「d-d遷移」の解説

d-d遷移
ディーディーセンイ
d-d transition

遷移金属錯体のd軌道は,配位子による結晶場によって分裂するが,すべての準位が電子で満たされているわけではないので,分裂した準位間で光による電子遷移が起こる.これをd-d遷移という.この遷移の多く可視光に相当する.遷移金属錯体が多彩なのは,このためである.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のd-d遷移の言及

【配位子場理論】より

…このときどこかに必ず電子の入っていない軌道があり,入っている軌道との間に電子遷移を生ずることになる。この電子遷移(d‐d遷移)が原因となって光吸収が起こるとき,可視部に吸収帯(配位子場吸収帯)を生ずることが多く,その結果,遷移金属の化合物に着色しているものが多いことになる。そして中央イオンが通常の酸化状態にある配位化合物では,配位子の種類に応じ吸収帯の波長域が推移することが見いだされており,これを分光化学系列と呼んでいる。…

※「d-d遷移」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

《「晋書」杜預伝から》竹が最初の一節を割るとあとは一気に割れるように、勢いが激しくてとどめがたいこと。「破竹の勢いで連戦連勝する」[類語]強い・強力・強大・無敵・最強・力強い・勝負強い・屈強・強豪・強...

破竹の勢いの用語解説を読む