世界大百科事典(旧版)内のFeuchtersleben,E.vonの言及
【精神病】より
…古代ギリシア・ローマの時代にはすでに,〈神聖病〉と呼ばれた癲癇(てんかん),黒胆汁の過剰によると説明されたメランコリア,狂乱状態を示すマニア,子宮(ヒュステラ)が体内で動き回る婦人病としてのヒステリーなどが知られていた。これらが〈精神病〉という総称のもとに体系化されるのは,精神医学がやっと自立の活動をみせる19世紀になってからで,〈精神病Psychose〉の語も1845年にウィーン大学のフォイヒタースレーベンE.von Feuchterslebenがその著《心の医学の教科書》で初めて使ったとされる。この概念は今でも〈精神障害〉と類似の総称として使われるが,狭義には,生まれつきの片よりである精神遅滞と性格異常(異常人格),正常心理から追体験できる各種の神経症(ノイローゼ)などは除外し,ふつうには了解できない異質の精神症状を示し,しかも〈自分は病気だ〉という意識(病識)ないし自己批判力を失っている状態に限定される。…
※「Feuchtersleben,E.von」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」