MARS-1
(埼玉県さいたま市大宮区大成町3-47 鉄道博物館)
「情報処理技術遺産」指定の地域遺産。
1950年代後半に国鉄鉄道技術研究所(現・鉄道総合技術研究所)の穂坂衛らにより座席予約システムMARS-1が研究開発され、1958(昭和33)年日立製作所に発注・製作された。1959(昭和34)年東京駅電算室に中央装置が設置され、1960(昭和35)年から東京―大阪間の特急列車の座席予約業務が開始された。世界初の列車座席予約システムであった
出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域遺産」事典 日本の地域遺産について 情報
世界大百科事典(旧版)内のMARS-1の言及
【座席予約システム】より
…そこで,1950年代に新技術として発展しつつあったコンピューターの高速な処理能力と大量な情報の蓄積と読み書きできる能力を用いて,座席の予約状態の情報を一元的に管理し,また,データ通信技術を用いて,各地に散在している予約受付窓口から端末装置の操作によって,直接この計算機に予約や解約などの処理を即時に行えるようなオンラインシステムが出現した。1953年にできたアメリカンエアラインズ社のMagnetronic reservisor systemが最初のシステムで,日本では60年の国鉄(現JR)のMARS‐1と近畿日本鉄道のシステムが初めである。国鉄のシステムは,その後発展して〈緑の窓口〉システムとして,1日当り100万座席以上の予約をしている。…
【データ通信】より
…電話のような人間と人間との声による通信に対して,コンピューターと端末装置,コンピューター相互間などの機械と機械の間の通信を一般にデータ通信と呼んでいる。 狭義のデータ通信は通信回線を通して音声以外の信号を伝送する技術を指す。とくにアナログ通信網は音声をつごうよく伝送するように設計されているため,これを通してデータを伝送するためには各種の変調方式がくふうされている。アナログ電話回線を通してデータを伝送する場合には300~3400Hzのアナログ電話帯域でデータを伝送するために,1200ビット/s以下の低速の場合には周波数変調方式が使用され,それ以上の高速の場合には多相位相変調,残留側波帯多値振幅変調が用いられる。…
※「MARS-1」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」