世界大百科事典(旧版)内のRoon,A.vonの言及
【ドイツ】より
…この過程でドイツ市民階級は,統一の指導勢力としてプロイセンに期待をかけつつも自由主義・立憲政治を掲げて同国政府・軍部と対決する路線から,統一を重視しビスマルクを支持する路線へと転換する。これは,市民階級を中心とする広範なナショナリズムに注目し,政治紛争を外にそらすことによって王権の維持をはかったビスマルク,またプロイセンを中央ヨーロッパの強国とすることによって王権を強化しようとした陸相ローンAlbrecht von Roon(1803‐79)の路線の勝利を意味した。しかも,統帥権を掌握した皇帝のもとに,男子普通選挙制にもとづく帝国議会が設けられたことは,長期的にみて,帝国への民衆の統合に重要な役割を果たすこととなる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」