Unverricht-Lundborg病

内科学 第10版 の解説

Unverricht-Lundborg病(脊髄小脳変性症)

(6)Unverricht-Lundborg病
 いわゆる進行性ミオクローヌスてんかん(progressive myoclonus epilepsy:PME)の疾患概念をもたらすきっかけとなった疾患であり,常染色体劣性遺伝性で遺伝子座は21q22.3にありEPM1とよばれプロテアーゼ阻害分子のcystatin Bをコードする.同遺伝子CSTBの12塩基リピートの異常伸長や点変異が原因である.フィンランドエストニア,スウェーデンに多くバルト海型PMEともよばれる.6~14歳にミオクローヌスあるいはてんかんで発症し,1~2年でもう一方の症状が加わる.小脳失調,企図振戦などの小脳症状が主体で精神症状や認知症はあっても軽度である.平均約14年の経過で約24歳(15~43歳)で死亡する.PMEをきたすほかの疾患としてLafora病(EPM2A),神経セロイドリポフスチン症,シアリドーシス,ミトコンドリア脳筋症のMERRF前述の歯状核赤核淡蒼球Luys体萎縮症などが鑑別にあがる.抗てんかん薬による対症療法が中心となる.[水澤英洋]
■文献
Brusse E, Maat-Kievit JA, et al: Diagnosis and management of early- and late-onset cerebellar ataxia. Clin Genet, 71: 12-14, 2007
Blackstone C: Cellular pathways of hereditary spastic paraplegia. Annu Rev Neurosci, 35: 25-47, 2012.
Shahwan A, Farrell M, et al: Progressive myoclonic epilepsies: a review of genetic and therapeutic aspects. Lancet Neurol, 4: 239-48, 2005.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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