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皮膚筋炎 ひふきんえんdermatomyositis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

皮膚筋炎
ひふきんえん
dermatomyositis

膠原病の一つ。皮膚と筋肉に病変が生じるが,前者のほうが顕著なものと,その逆のものとがある。皮膚病変のおもな症状は,上まぶたの紫紅色の浮腫状腫脹,顔面や頭部の紅斑丘疹,落屑性病変,四肢関節背面や躯幹などの境界に比較的鮮明な紅斑性落屑性病変などがある。上まぶたの腫脹は皮膚の初発症状として現れることが多く,きわめて特徴的である。筋肉病変は横紋筋が侵されることにより,歩行困難,上肢の挙上困難,握力低下,嚥下困難などをきたす。高齢者では悪性腫瘍の併発がかなりあるが,小児ではみられない。検査所見では,全身性紅斑性狼瘡と異なり,自己免疫性を裏づけるものが乏しい。

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世界大百科事典 第2版の解説

ひふきんえん【皮膚筋炎 dermatomyositis】

多発性筋炎のうち,著しい皮膚症状の伴うものをいう。顔とくに目の周囲や髪の生え際,手指,ひじ,ひざなどに淡紫色の特有の紅斑が現れるのが特徴で,浮腫や筋力低下などの筋肉症状を伴う。成人では約20%に悪性腫瘍を合併する。20~50歳代の女性に多い。自己免疫疾患説,ウイルス説があるが,原因はいまだ不明である。治療は安静のうえ,副腎皮質ホルモン剤,免疫抑制剤などを用いる。多発性筋炎【山口 登】

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大辞林 第三版の解説

ひふきんえん【皮膚筋炎】

膠原病の一。全身性の紅斑やむくみなどの皮膚炎症状と、筋力低下・筋肉痛などの筋炎症状を呈し、時に腫瘍を併発する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

皮膚筋炎
ひふきんえん

おもに皮膚と骨格筋が侵される系統的疾患で、急性、亜急性および慢性の原因不明の疾患であり、特定疾患(難病)に指定されている。1863年にまずドイツのワグナーErnst Lebrecht Wagner(1829―88)により多発(性)筋炎という病名で報告されたが、1891年にドイツのウンフェルリヒトHeinrich Unverricht(1853―1912)により皮膚症状を伴うことから皮膚筋炎とよばれるようになった。現在、多発筋炎のうち皮膚病変のあるものを皮膚筋炎とよび、膠原(こうげん)病の一つとされている。
 皮膚症状は顔面の浮腫(ふしゅ)、とくに眼瞼(がんけん)を中心とするヘリオトロープ様紅斑(こうはん)で、ぶどう酒様紫紅色の紅斑と毛細血管拡張が認められる。紅斑はしだいに頸(けい)部、肩甲部、上胸部へ拡大し、四肢伸側とくに関節背面に大小の局面性の浮腫性紅斑が出現する。これら紅斑部の下の筋肉は圧痛を示し、脱力や筋力低下を訴える。しかし、皮膚病変と筋肉病変はかならずしも並行せず、最初皮疹(ひしん)だけが生じ、のちに筋肉症状が現れる場合や、逆の場合もある。また慢性に経過すると、血管性多形皮膚萎縮(いしゅく)症のような皮膚所見を呈し、さらに進行すると皮膚の硬化がみられることがある。診断は、特徴的な皮疹、血清酵素(GOT、GPT、CPKなど)の上昇、筋電図、筋生検で筋原性変化が認められると容易である。なお、内臓の悪性腫瘍(しゅよう)を合併したり、関節痛、レイノー症状、石灰沈着、消化管出血などがみられることもある。治療はステロイドがもっとも有効であるが、呼吸不全、心筋障害、悪性腫瘍の合併などで死亡することがあり、予後のよい疾患とはいえない。[渡辺晋一]

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世界大百科事典内の皮膚筋炎の言及

【膠原病】より

…1941年にクレンペラーP.Klempererが提唱した疾患。病理学的に結合組織にフィブリノイドfibrinoid変性がみられる疾患という定義がなされ,全身性エリテマトーデス,慢性関節リウマチ皮膚筋炎または多発筋炎,強皮症(全身性進行性硬化症),結節性動脈周囲炎,リウマチ熱の6疾患が代表的な膠原病とされた。その後,病理学的にもフィブリノイド変性という概念がきわめてあいまいなものであり,膠原繊維にのみ変化がおこるものではないところから,結合織疾患connective tissue diseaseとよぶほうが正しいとされ,国際的にはそのようによばれることが多い。…

【多発性筋炎】より

…骨格筋の炎症性変化を主体とする筋疾患。他の疾患に伴わず症状が骨格筋に限られているものを狭義の多発性筋炎といい,著しい皮膚症状を伴うものは皮膚筋炎という。また全身性エリテマトーデス,慢性関節リウマチ,結合組織の病変によって,皮膚の硬化をきたす強皮症などの膠原病(こうげんびよう)やサルコイドーシス,シェーグレン症候群などに伴うものもある。…

※「皮膚筋炎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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